日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物のガラクトース脱水素酵素オーソログが酵母のエリスロアスコルビン酸合成に決定的な役割を果たす
*尼子 克己藤田 和代下畑 隆明長谷川 悦子岸本 律子合田 清
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p. 268

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抄録
出芽酵母に存在するエリスロアスコルビン酸(eAsA)はNADP依存のアラビノース脱水素酵素(ARA)とアラビノノラクトン酸化酵素(ALO1)によって合成されると考えられてきた。我々はNAD依存のARAを新たに見いだしたので報告する。
まず酵母粗抽出液におけるARA活性のアラビノース濃度依存性から、アラビノースに対して高い親和性を持つNAD依存ARAの存在を見いだした。次に酵母ゲノム中に植物由来ガラクトース脱水素酵素のホモログとして見いだされる機能未知遺伝子: YMR041cについて、大腸菌による組換え体タンパク質を調製し、これがNAD依存ARA活性を持つことを示した。YMR041cはガラクトース脱水素酵素と類似した性質を示したが、幾つかの点で明確にこれと異なっていた。またYMR041cはALO1とのカップリングによってin vitroでeAsAを合成した。更に酵母野生株およびNADP依存ARA大サブユニット遺伝子破壊株は培地へのアラビノース添加によって細胞内eAsA量が十倍以上に増加したが、YMR041c遺伝子破壊株では殆ど増加しなかった。これらの結果から、酵母におけるeAsA合成と植物におけるアスコルビン酸合成は、酵素遺伝子の構造においても類似していることが明らかになった。
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© 2006 日本植物生理学会
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