抄録
La3+やGd3+のような希土類イオンをタバコ懸濁培養液に処理すると一過的なスーパーオキシドの生成を誘導することが知られている。これまでの研究では、タバコ培養細胞においてLa3+が誘導するスーパーオキシド生成は、Zn2+とMn2+により阻害されることが示されている。Mn2+がスーパーオキシドの生成を直接に阻害するのに対し、Zn2+は初期のスーパーオキシド生成を阻害しつつ、緩やかなスーパーオキシド生成を促す。本研究では、タバコ培養細胞(BY-2)を用いて、La3+と同様に三価の金属カチオンであるAl3+により誘導されるスーパーオキシドの生成を、スーパーオキシドに特異的な化学発光基質CLAの化学発光により検出し、培養細胞のカルチャーエイジの影響及び他の金属との相互作用を解析した。その結果、培養日数2日から12日の範囲では、より若い細胞において、より高いAl3+誘導スーパーオキシド生成が認められた。至適条件下で、Al3+により誘導されるスーパーオキシド生成に対するZnSO4とMnSO4の影響を解析したところ、Zn2+とMn2+ともに阻害効果を示した。Zn2+は低濃度(0.1 mM前後)で、またMn2+は高濃度(10-30 mM)において、3 mMのAl3+が誘導するCLA発光を50%阻害した。