日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ステート遷移に伴い2つの光化学系複合体を移動する集光性タンパク質の同定
*高橋 拓子岩井 優和高橋 裕一郎皆川 純
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p. 323

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抄録
酸素発生型光合成電子伝達系では、アンテナタンパク質が関与する2つの光化学系の間で励起エネルギーを再分配するステート遷移という機構が機能する。光化学系I(PSI)がより励起されるステート1の状態では、アンテナ複合体(高等植物や緑藻ではLHCII)は光化学系II(PSII)と結合する。一方、 PSIIがより励起されるステート2の状態では、LHCIIはPSIへ移動し、PSIのアンテナとして機能すると考えられている。しかし、数多く存在するLHCIIの中で、この様なステート遷移の過程で移動するLHCIIの生化学的な解析はあまり進んでいない。本研究では、ステート1および2に固定した緑藻クラミドモナスの細胞からクロロフィルタンパクを分離する方法を確立し、さらにステート2に特異的に観察されるLHCIIを結合したPSI標品(PSI-LHCI/II超分子複合体)を見出した。この標品に含まれるLHCIIポリペプチドを質量分析および免疫学的手法により同定した結果,マイナーLHCIIとして知られるCP26とCP29、さらにメジャーLHCII TypeIIであることが分かった。以上の結果から、これら3種のLHCIIがステート遷移により移動し、PSIおよびPSIIコア複合体と比較的安定に結合し、他のメジャーLHCIIがPSIおよびPSIIコア複合体と結合するときの結合部位を形成していると考えられる。
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© 2006 日本植物生理学会
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