日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カーネーションの花色の濃淡に関与する DcGST4 (Glutathione S-Transferase) 遺伝子の解析
*内田 康裕百瀬 眞幸梅基 直行吉田 洋之若松 栄悟山岸 綾伊藤 佳央小関 良宏
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p. 342

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抄録
カーネーション(Dianthus caryophyllus )においては古くから生化学的な研究が盛んに行われ、アントシアニン生合成酵素と遺伝子座の関係が明らかにされている。この中の遺伝子Sはアントシアニンの含有量の決定に関与する遺伝子座として見出されており、このS遺伝子の優劣により花の色の濃淡が変化することからも花色発現に重要な役割を果たしていると考えられている。本研究ではカーネーションの花色の濃淡に関与するS 遺伝子座に対応する遺伝子を同定することを目的とし、アントシアニンの液胞への輸送に関与することが示唆されている GST (Glutathione S-Transferase) 相同遺伝子を濃赤色カーネーションおよび淡色カーネーションから単離し、シークエンス解析およびパーティクルガンによる相補実験を行った。その結果、淡色のカーネーションからは濃赤色カーネーションから単離された DcGST4-1 とは異なる DcGST4 が 2 種 (DcGST4-2, DcGST4-3) 見出された。これらの 3種の DcGST4 をパーティクルガンにより淡色カーネーション花弁に導入すると、DcGST4-1 のみが濃赤スポットを形成した。以上の結果から DcGST4 の変異により淡色となることから、GST4S 遺伝子であることが示唆された。この研究は民間結集型アグリビジネス創出技術開発事業によって行われた。
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© 2006 日本植物生理学会
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