日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

シロイヌナズナのオーキシン非感受性突然変異nph4の抑制突然変異体の単離と同定
*中本 大介松村 葉子町田 千代子町田 泰則山本 興太朗
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 407

詳細
抄録
オーキシン応答因子ARF7をコードするNPH4の機能欠損突然変異体は、オーキシンに対して非感受性となり胚軸の屈性や葉の偏差成長等に異常を示す。本研究では、NPH4を中心とするオーキシン信号伝達経路を解明するためにnph4突然変異体の抑制突然変異体を単離、解析した。nph4で見られる葉の偏差成長異常の回復と、胚軸の屈地性異常の回復を指標としてスクリーニングを行った結果、snp1suppressor of nph4 1)を単離した。snp1は劣性で、葉縁は鋸歯状を示した。マッピングの結果、snp1は1番染色体の上腕、約24.4 Mbに位置しており、この近傍にはsnp1と似た形態を示すasymmetric leaves2 (as2) (Iwakawa et al., 2002)があった。相補性検定の結果、snp1as2を相補しなかった。AS2内の塩基配列を調べたところ、snp1では2箇所の塩基置換が起きていて、その結果、高度に保存されたC-motifで、2箇所のアミノ酸置換が起きていた(P9->S、A11->V)。as2は維管束形成が異常となるが(Semiarti et al., 2001)、snp1では維管束形成に異常は見られなかったので、snp1as2の弱いアリルだと考えられる。以上のことから、AS2がNPH4を中心とするシグナル伝達系の下流で機能している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2006 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top