日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechocystis sp. PCC6803におけるグルコースと光によるfructose-1,6-bisphosphate aldolase (fbaA)遺伝子の発現調節
*田部井 陽介岡田 克彦吉田 拓也都筑 幹夫
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p. 479

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抄録
Synechocystis sp. PCC6803 は光独立栄養での生育も可能であるが、1日5分程度の光照射によりグルコースを炭素源とする従属栄養的生育が維持される。これまで、従属栄養条件下における光照射の役割について調べる過程で、解糖系関連酵素をコードする複数の遺伝子が光照射下で増加することを報告した(日本植物生理学会年会、2005)。
そこで、解糖系酵素の1つであるfructose-1,6-bisphosphate aldolasefbaA)の発現と、グルコース及び光照射との関係を詳細に調べた。その結果、fbaAの発現は光照射により誘導され、特に、グルコース存在下で大きく誘導された。また、グルコース非存在下で誘導されたfbaA転写産物は不安定であり、グルコースによってmRNAが安定化されていることが示唆された。
PCC6803に存在するHTH様転写因子の発現を追跡したところ、グルコース添加、光照射条件下で、複数のHTH様転写因子と考えられる遺伝子の発現が誘導された。破壊株を作製し、性質を調べたところ、光独立栄養条件下では野生株と同様の生育を示すが、光活性化従属栄養条件下でほとんど生育できない株が見いだされた。破壊株におけるfbaAの発現は、連続光条件下では野生株と同等であったが、グルコース存在下で光照射をしても誘導されなかった。このことから、PCC6803のfbaAは光独立栄養条件下と従属栄養条件下で異なる発現調節を受けていることが示唆された。
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© 2006 日本植物生理学会
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