日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネにおけるOsYSL18の機能解析
*青山 貴紘井上 晴彦石丸 泰寛和田 泰明高橋 美智子中西 啓仁森 敏西澤 直子
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p. 531

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抄録
イネ科植物は三価鉄のキレーターであるムギネ酸類を分泌して、土壌中の不溶態鉄をキレートして可溶化し、「鉄-ムギネ酸類」錯体として特有のトランスポーターによって根で再吸収する。この「鉄-ムギネ酸類」錯体のトランスポーターであるZmYS1遺伝子は、トウモロコシの変異体を用いた研究により単離された。イネにおける「鉄―ムギネ酸類」の輸送機構を明らかにするため、イネゲノム情報をもとにZmYS1遺伝子と相同性の高い遺伝子の検索を行った。その結果、イネゲノム中に18個のZmYS1-like遺伝子、OsYSL(1-18)を見出した。ノーザン解析および定量的RT-PCRを行ったところ、18個のOsYSLのうちOsYSL18は、鉄栄養による発現の制御を受けることが明らかになった。OsYSL18-GFPをタマネギの表皮細胞で一過的に発現させたところ、細胞膜に局在した。鉄吸収能を欠損する酵母、fe3fet4にOsYSL18を発現させたところ、「三価鉄-デオキシムギネ酸」添加により生育が回復した。さらに、OsYSL18を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞は、「三価鉄-デオキシムギネ酸」錯体を細胞外から細胞内に輸送した。現在、OsYSL18発現の組織局在を解析するため、OsYSL18プロモーターGUS植物を作成中である。
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© 2006 日本植物生理学会
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