日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネ擬似病斑形成spl (spotted leaf)変異の活性酸素生成への関与
*小城 香織八丈野 孝松村 英生藤澤 志津子寺内 良平楠見 健介射場 厚
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p. 769

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抄録
病原体の攻撃を受けた植物細胞では、病原菌由来のエリシター分子を認識すると、急激な活性酸素の生成が起こり、自発的な細胞死などの防御反応が誘導される。葉に壊死斑を形成する spl変異体 (spl111)は、このような一連の反応に関わるシグナル経路に変異があると考えられている。これまでに各変異体より作成した培養細胞を用いて、エリシターで活性化される経路に変異があると推測される3つの変異体 (spl2, spl7, spl11) を選抜した。このうちspl7は、脱リン酸化反応の阻害剤であるカリクリンA (CA) 処理で誘導されるH2O2の生成が、野生株やspl2spl11に比べ多くなっていた。CAおよびエリシターそれぞれで活性化される経路の相関を調べた結果、CAはエリシター誘導性のH2O2の生成に対し相乗的に作用した。このことから、CAで活性化される経路はエリシターで活性化される経路の一部であり、spl7はCAの影響を受ける脱リン酸化反応が関わる経路に関与すると考えられた。今回はさらに、spl変異体の葉に傷処を行った際に、傷処理により誘導される活性酸素生成が、spl2において促進されていることを報告する。また、spl変異のH2O2生成における関与についてこれらの知見をもとに考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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