日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネとイネいもち病菌相互作用における活性酸素の生成と消長
*田部 茂林 長生南 尚子本田 亜利紗渋谷 直人賀来 華江山根 久和南 栄一
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p. 770

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抄録
病原菌感染における宿主植物の早い応答の一つに活性酸素生成がある。活性酸素はそれ自体が以降の諸応答へのシグナルであり、またその酸化力が抗菌活性として作用するという報告もあり、高等植物の生体防御応答に普遍的な重要性を持つと考えられている。本研究では活性酸素の一つ、過酸化水素を指標としてイネとイネいもち病菌の初期相互作用を解析した。8種類のいもち病菌胞子懸濁液をイネの液体培養細胞と共培養すると、培地中に過酸化水素が蓄積したがその量は菌系によって異なっていた。一方胞子上清中にはカタラーゼ様活性が認められ、その比活性は菌系により異なっていた。次に日本晴(Pi-a)に親和性の菌系INA68-137(レース007)の胞子懸濁液および水洗浄胞子を調製し、日本晴葉鞘に接種したところ、水で洗浄することでINA68-137の付着器周辺のイネ細胞での活性酸素蓄積量が有意に増大し、同時に初期感染過程における菌糸伸長が有意に抑制された。これらの結果はINA68-137の胞子上清画分には感染初期の菌糸伸長に正に関与する因子が存在し、その一つがカタラーゼ様活性であることを示唆している。
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© 2006 日本植物生理学会
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