日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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遺伝子リテラシーに繋がる新規理科教材の開発
*小野 道之日向 岳王中川 繭鎌田 博
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p. 908

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抄録
遺伝子組換え植物を取り巻く状況を鑑みても、植物バイオテクノロジーに対する国民的な理解を促進することは重要である。我々は遺伝子リテラシー教育を初等・中等教育において推進する活動の中で、「蛍光タンパク質遺伝子を導入して大腸菌を光らせる教材」のようにインパクトの強い教材を用いた実験実習は教育効果が極めて高いことを経験した。そこで、理科離れを抑え、植物分野への進学を目指す生徒を増やすためにも、高等学校の授業で実施可能な新たな教材の開発を進めている。本発表では、スーパーサイエンスハイスクール等の出前授業などで実施した中から2点を紹介する。一つは「メンデルの遺伝法則を遺伝子レベルで体験する教材」。メンデルが遺伝法則の発見に用いたエンドウの突然変異の原因遺伝子について、野生型遺伝子との違いをPCRと電気泳動などを用いて観察する。もう一つは「花の形態形成を司るABCモデルを考える教材」。種々の園芸植物とシロイヌナズナのABC変異体の花を観察し、ABCモデルを構築させる。いずれも遺伝子の本質を理解する手助けとなる教材であり、遺伝子リテラシー教育への効果を期待している。
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© 2006 日本植物生理学会
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