日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナFOXラインの評価:形質の再現性について
*市川 尚斉中澤 美紀近藤 陽一石川 明苗川島 美香飯泉 治子関 原明藤田 美紀武藤 周篠崎 一雄松井 南
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p. 907

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抄録
優性突然変異を引き起こすアクチベーションタギングは、遺伝子ファミリーを形成する遺伝子群のゲノム的機能解析など、遺伝子破壊型のタギング法では表現型が現れない遺伝子の機能解析に欠かせないテクニックである。我々は次世代型アクチベーションタギング法として、約1万種の独立シロイヌナズナ完全長cDNAからなる標準化cDNAライブラリーをアグロバクテリアのバイナリーベクター上で作成した後、このバクテリアライブラリーをシロイヌナズナに花感染させることでシステマティックに形質付与を起こさせる方法として、Fox Hunting Systemを開発した。T1世代の植物を15,000ライン以上観察したところ、可視変異の起きた1,487ラインを単離した。そのうち本葉でうす緑色の変異を起こした115ラインに関して次世代植物の観察を行ったところ、59ラインが優勢もしくは半優勢にT1表現系を再現した。現在、可視表現型形が見られた様々な個体からcDNAを回収して再導入することにより本手法の有効性確認を行っているので、再導入によって表現型が現れた10ラインを紹介する。我々はこの手法を応用してイネ完全長cDNAからなるシロイヌナズナFOXラインを製作している。このラインを用いて、様々な有用形質の1次スクリーニングを行い、選抜された遺伝子をイネに再導入して有用形質獲得の確認を行う予定でいる。
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© 2006 日本植物生理学会
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