日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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集光性クロロフィルタンパク複合体の構造と動態
*皆川 純岩井 優和高橋 拓子高橋 裕一郎
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p. S040

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抄録
ステート遷移は,集光性アンテナタンパク質(LHCII)を光化学系II(PSII)と光化学系Iの間で再分配する光合成系の短期光環境適応機構の一つであり,NPQ現象の1つとして観察される.PSIIがより励起されると,PSIIの周辺に位置しPSIIのアンテナの一部として機能していたLHCII分子は,PSIIから脱離しPSIと結合する(ステート2).これまでこの遊動するLHCIIサブユニットの正体は明らかではなかった.我々は,生化学的取り扱いに優れ,高等植物と比較し大きなステート遷移能力を持つ緑藻クラミドモナスをステート2に固定し,PSI-LHCI/LHCII超分子複合体を精製することに成功した.超分子複合体に結合する遊動性LHCIIサブユニットは,マイナーLHCIIとして知られるCP26,CP29,そしてメジャーLHCII タイプII (LhcbM5) と同定された.マイナーLHCIIはPSIIコアとメジャーLHCIIの間に位置し,従来PSII固有の成分であるとされてきた.また,これらの3つのLHCIIサブユニットは,多数のLHCIIサブユニットの中でも進化系統的にもっともLHCIに近い.我々は,これらLHCIIサブユニットは,PSIとPSIIをシャトルされることにより,両光化学系においてメジャーLHCIIの結合部位として機能していると考えている.
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© 2006 日本植物生理学会
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