日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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成長と病害応答は1つのタンパク質のグルタチオン化を介して光合成によって制御される
*小川 健一
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p. S079

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抄録
多量に存在する抗酸化物質であるグルタチオン(GSH)によって,植物の生理的イベントの多くが調節されることを,われわれは最近報告してきた[Ogawa (2005) Antioxid. Redox Signal. 7: 973-981].GSHで制御されるイベントの多くは他のチオールでは制御不可能であることから,われわれはグルタチオン化(GSH分子のジスルフィド架橋を介した結合)を受けるタンパク質の機能に注目し,研究を行った.ここでは,葉緑体内でグルタチオン化を受けるタンパク質のひとつが成長と病害応答に関わること,およびそのタンパク質の機能がグルタチオン化で制御されることについて紹介する.GSH合成は光合成に強く依存することや成長や病害応答がGSHによって制御されることを考え併せると,植物の成長や病害応答は,たったひとつのタンパク質のグルタチオン化を介して光合成によって制御されると結論付けることができる.
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© 2006 日本植物生理学会
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