日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナの全遺伝子機能解明に貢献するリソース
*小林 正智
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p. S081

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抄録
2000年12月にシロイヌナズナの全ゲノム塩基配列が解読されて以降、シロイヌナズナが持つとされる27,000遺伝子全ての機能を明らかにしようとする意欲的なプロジェクトが進んでいる。その中核となる米国の2010年プロジェクトでは、全ての遺伝子のcDNAや破壊株を提供することを目指してリソースの整備が進められてきた。その結果現在では全遺伝子に対して約7割にあたるcDNA、8割にあたる破壊株が作成済みである。このうち完全長cDNAに関しては理研GSCが作成したArabidopsis full-length cDNA (RAFL) cloneが最大のコレクションであり、世界標準のリソースとして理研BRCから全世界に配布されている。また同じく理研GSCが作成したトランスポゾンタグラインも遺伝子破壊株に対する世界の需要を満たすべく理研BRCから配布されている。このようにNBRPシロイヌナズナ/植物培養細胞・遺伝子の課題はモデル実験植物シロイヌナズナの研究において国際的に大きな貢献を果たしており、これからも植物リソース分野における日本の存在を世界に発信するべく活動したい。更にシロイヌナズナの全遺伝子機能解明の向こうに見える多様性に着目した研究に向け、シロイヌナズナの野生株や近縁種などのリソース整備にも地道に取り組みたい。
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© 2006 日本植物生理学会
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