日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサ根粒菌Type III分泌系の窒素固定共生における役割
岡部 沙織岡崎 伸手島 光平Gottfert Michael*佐伯 和彦
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p. 123

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抄録
細菌細胞は菌体外へ蛋白質などを分泌することで、環境等に対し生化学的な効果を及ぼす。これまでに知られている菌体外分泌機構の中でもType III分泌系(T3SS)は、動植物の病原菌で宿主機能を制御する蛋白質を宿主細胞質内へ注入する役割を果たしている。T3SSは共生を営む根粒菌でも同定されており、Nopsと名付けられた蛋白質を分泌し、その有無が宿主特異性に関わることが報告されているが、その実体の多くは不明である。私たちは、ミヤコグサ根粒菌Mesorhizobium loti MAFF303099株が持つT3SSの共生における役割とその生化学的機構の解明を目指している。本研究では、まず、MAFF303099株T3SS構造体遺伝子群全体およびT3SSの正の制御因子であるttsI遺伝子の破壊株を作製した。次に、Lotus japonicusおよびLotus属近縁種などへの感染試験による共生能の評価を行い、T3SS欠失株で根粒形成数と宿主の生育が変動するもの宿主4種を確認した。L. japonicusにおいては、窒素固定能自体に大きな変動は無かったが、根の伸長が、非感染>T3SS変異株>野生株の順であった。相補実験の結果も併せて、MAFF303099株のT3SS因子が宿主に認識されていることを支持した。さらに、T3SSにより分泌される機能因子を同定する目的で、制御因子であるttsI遺伝子をin vitroで強制発現させ、培養上清に放出される蛋白質を回収し、ゲル電気泳動により確認を試みた。その結果、4種の分泌蛋白質が確認された。
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© 2007 日本植物生理学会
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