日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネCPD光回復酵素のリン酸化修飾が活性に与える影響について
*中村 憲太郎寺西 美佳日出間 純
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p. 0848

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抄録
UVBによって誘発されるDNA損傷(シクロブタン型ピリミジン二量体: CPD)を修復するCPD光回復酵素の活性は、植物のUVB抵抗性を左右する重要な因子である。我々はこれまで、イネ葉から精製したCPD光回復酵素の諸特性について解析した結果、約54kDaと56kDaの2つのタンパク質が含まれていることを見出した。さらに、この2つのタンパク質の違いを明らかにするため、精製したCPD光回復酵素に対し、タンパク質脱リン酸化酵素を反応させところ、イネのCPD光回復酵素はリン酸化修飾を受けていることを見出した(寺西ら:本大会口頭発表予定)。これまでに、CPD光回復酵素がリン酸化修飾を受けているという報告は一切ない。そこで、リン酸化CPD光回復酵素の機能を解析するため、本研究では、CPD光回復酵素のリン酸化修飾が酵素活性に与える影響について、以下の方法により解析を行った。(1) タンパク質脱リン酸化酵素を反応させ、脱リン酸化型のCPD光回復酵素のみとした後、活性を測定し、リン酸化型を含むCPD光回復酵素の活性と比較した。(2) リン酸基の金属親和性を利用したリン酸化タンパク質結合カラム (Phosphate Metal Affinity Chromatography) を用いて、リン酸化CPD光回復酵素のみを特異的に精製した後、酵素活性を測定した。本発表では、これらの解析結果について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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