日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコBY-2細胞におけるCa2+流入関連因子NtMCA1NtMCA2のCa2+取込み能に関する解析
*山中 拓哉瀧口 彬子中野 正貴三木 悠意林 晃之飯田 秀利来須 孝光朽津 和幸
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p. 0079

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抄録
植物が機械刺激を感知し応答する過程で、Ca2+動員の関与が想定されている。しかしその分子機構は殆ど不明である。シロイヌナズナにおいて同定された細胞膜貫通型膜タンパク質Mca1とMca2は機械刺激受容に関与すると考えられている。Mca (mid1-complementing activity)ファミリーは広範な植物種に存在する。我々はタバコBY-2細胞で発現している2種のMca遺伝子を単離した。NtMca1/2-GFP融合タンパク質発現BY-2細胞のGFP蛍光は、細胞表層に観察され、液胞膜マーカー染色像と一致しなかったことから、NtMca1/2は主に細胞膜に局在することが示唆された。また酵母において機械刺激受容に関与すると考えられる遺伝子の欠損株(mid1欠損株)にNtMCA1/2を導入したところ、その致死性を部分的に相補したことから、NtMca1/2が酵母において細胞外からのCa2+の取込みに関与することが示唆された。次にNtMCA1/2過剰発現形質転換株を作出し、培地中のCa2+濃度の細胞増殖速度への影響を比較解析した。その結果、低濃度のCa2+を含む培地における野生株の細胞増殖能の低下は、これらの過剰発現株では緩和されていた。45Ca2+の取込み実験の結果も合わせて、NtMca1/2が細胞外から細胞内へのCa2+の取込みに関与する可能性や、その生理機能について議論する。
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© 2009 日本植物生理学会
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