日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサにおける根粒形成はR/FR比受容反応である
*鈴木 章弘Suriyagoda Lalith富永 晃好平塚 芳美佐々木 雅代東江 栄内海 俊樹阿部 美紀子橋口 正嗣明石 良酒井 達也稲田 さやか佐藤 修正金子 貴一田畑 哲之有馬 進
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p. 0168

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抄録
ミヤコグサから根粒数が減少した2つの変異体を単離した。これらは共生以外の表現型としてクロロフィル含量が低く徒長の表現型を示した。さらに光に対する応答解析から、赤色光(R)に対する反応が野生型とは異なることが判明した。このような表現型はシロイヌナズナのphyB変異体のものと同様なため,PHYB遺伝子の塩基配列を解析したところ両系統において変異を見いだした.さらにGifu B129とのバッククロスF2世代を用い、これらの変異に対してdCAPS解析を行ったところ、表現型と遺伝子型は常にリンクしていたことから、2つの変異体の原因遺伝子はPHYBであると結論づけた。
これらの変異体の芽生えを用いてR下で根粒着生試験をしたところ全く根粒が形成されなかった.これはRの受容が根粒形成に必要であることを示している. PHYBは光合成器官の発達に重要であることから,光合成産物の不足が理由の1つと考えられる.それ以外の理由はないのだろうか?そこで一定期間連続白色光下で生育させた野性型およびphyB変異体を用い,Rを一定にし,遠赤色光(FR)の値を増減させて根粒着生試験をおこなったところ,低R/FR比の場合は根粒数が激減した.また、この時の根におけるsucrose含量は低R/FRの方が高い傾向にあった。以上の結果は、ミヤコグサにおける根粒形成がR/FR比受容反応であることを示唆している。
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© 2009 日本植物生理学会
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