日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ完全長cDNA過剰発現(FOX)ラインを利用した阻害剤の標的スクリーニング法の確立
*笠原 博幸市川 尚斉近藤 陽一堀井 陽子黒田 浩文津本 裕子松井 南神谷 勇治
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p. 0205

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抄録
近年、化学遺伝学の広まりと共に多種多様な天然物や合成品のケミカルライブラリーが利用可能になり、植物の遺伝学や生理学を専門とする研究者の間においても変異体スクリーニングと同様にケミカルスクリーニングが行われるようになった。しかし、現在の化学遺伝学にはケミカルの標的タンパク質の同定が難しいという技術的な課題が存在している。今後さらに化学遺伝学の重要性が増すと予想される中、迅速かつ汎用性の高い標的スクリーニング法の開発が必要である。我々は標的タンパク質を過剰に生産する植物が阻害剤に対して耐性を示す事に着目し、阻害剤に対して耐性を示すシロイヌナズナの遺伝子過剰発現体を網羅的にスクリーニングすることで標的を効率的に絞り込むことが可能であると考えた。そこで本研究ではシロイヌナズナ完全長cDNA過剰発現(FOX)ラインを利用した標的スクリーニング法について検討した。植物に対して白化作用を持つMEP経路阻害剤をモデルに検討したところ、このFOXスクリーニング法により1ヶ月以内で標的遺伝子を得られることが実証された。本発表ではFOXスクリーニング法の実用性と問題点について述べる。
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© 2009 日本植物生理学会
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