日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

選択的スプライシング制御機構におけるストレス応答性SRタンパク質atSR30およびatSR45aの機能解析
*吉村 和也田部 記章森 達也木村 彩子重岡 成
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0228

詳細
抄録
【目的】植物のストレス応答や防御に関与する多くの遺伝子発現制御に選択的スプライシング機構が関与していると考えられる。我々はシロイヌナズナの強光応答性の選択的スプライシング制御因子の一つであるセリン-アルギニンリッチ(SR)タンパク質、atSR30およびatSR45aが主要な役割を果たしている可能性を見いだした(Plant Cell Physiol. 48: 1036-1049, 2007)。そこで本研究では、シロイヌナズナ遺伝子破壊株を用いてatSR30およびatSR45aによるスプライシング制御機構の生理的意義の解明を試みた。
【方法・結果】atSR45a破壊株では強光処理下でのatSR30の発現量が、atSR30破壊株ではatSR45aの発現量が野生株と比較して増加していた。さらに、個々の破壊株では表現型に変化が認められなかったが、二重遺伝子破壊株(WKO sr30/sr45a)は通常条件下で矮性を示した。また、WKO sr30/sr45aにおいて熱ショックタンパク質(HSP)であるHSP70, HSP17.4, およびHSP101の発現量が減少していた。以上より、atSR30およびatSR45aはHSPの発現制御に関わる転写因子の選択的スプライシングの制御に協調的に関与していると考えられた。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top