日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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大気中窒素酸化物の植物バイタリゼーション遺伝子の解析
*高橋 美佐柏原 俊一古橋 孝将塚谷 裕一坂本 敦森川 弘道
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p. 0233

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抄録
植物をバックグラウンド濃度の窒素酸化物(NOx)を含む空気中で栽培すると、NOxを含まない空気中での栽培に比べ、植物の生育やバイオマス量が顕著に増加した。我々は、NOxのこの作用を“植物バイタリゼーション”と命名した(Takahashi et al., New Phytologist 168:149-154, 2005)。本研究では、この作用に関与する遺伝子を明らかにするために、シロイヌナズナを用いて遺伝子発現解析を行った。
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana C24)を<5 ppb NOx、22 ± 0.3oC、相対湿度70 ± 4%、人工照明下(40 μmole photon m-2 s-1)、360 ppm CO2の制御条件下で1週間栽培した後、NOxを含む(50 ppb; +NOx)または含まない(<5 ppb; -NOx)空気中で3週間栽培した。±NOx条件下で栽培した植物葉からそれぞれRNAを抽出して、マイクロアレイ解析を行った。その結果、+NOxで発現量が2倍以上増加する約130個の遺伝子群が特定された。これら遺伝子のT-DNA 挿入変異体において、バイタリゼーションが消失した変異体が存在した。これらの結果について報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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