日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるC/N制御E3リガーゼSSV1・ATL6は病原体抵抗機構にも関与する
*前川 修吾佐藤 長緒浅田 裕安田 盛貴吉田 みどり池田 亮山口 淳二
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p. 0239

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抄録
ユビキチン/26Sプロテアソームシステム(UPS)は真核生物保存的な能動的タンパク質分解機構であり,栄養応答・病害応答など様々な生命現象に関わる.UPSにおける標的タンパク質の決定はユビキチンリガーゼ(E3)が行っており,E3の多様かつ厳密な選択性がUPSによる精密な制御機構を支えている.
我々は,糖/窒素(C/N)ストレス耐性変異体のスクリーニングから,新規C/N応答制御E3であるSSV1を単離した.SSV1はATLファミリーに属し,その中にSSV1と最も相同性が高いホモログのATL6が存在する.ATL6はエリシター誘導性の遺伝子であり,病害応答への関与が示唆されていた.シロイヌナズナを用いたエリシター処理実験を行ったところ,SSV1もまたエリシター誘導性がみられた.そこで,実際の病原体抵抗性を調べるためにSSV1ATL6それぞれの過剰発現体・ノックアウト変異体に対しPseudomonas syringae pv. tomato DC3000の接種実験を行った.その結果,両者の過剰発現体では抵抗性の上昇が,その逆にatl6 ssv1二重変異体では抵抗性の低下がみられた.
現在,両遺伝子によるC/N応答制御と病原体抵抗性の関係について検討を進めている.
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© 2009 日本植物生理学会
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