日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ抑制型転写因子ERF9の防御応答における機能解析
*浅田 裕矢元 奈津子高橋 和馬勝又 邦明池田 亮山口 淳二
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p. 0238

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抄録
我々は、Fox Hunting Systemを用いてシロイヌナズナのgain-of-function型細胞死形質変異体を単離した。原因遺伝子をDEAR1(DREB and EAR motif protein 1)と名付け、解析を行ったところ、DEAR1過剰発現体では、ロゼット葉における過敏感細胞死の出現、病原体抵抗性遺伝子PDF1.2の発現上昇などが確認された。またDEAR1は、DREBドメインとEARモチーフを有し、生物的ストレスシグナル伝達の抑制型転写制御因子と考えられた。
PDF1.2の発現が上昇したことから、DEAR1の標的遺伝子の一つとしてAP2/ERF familyが予測された。DEAR1過剰発現体におけるマイクロアレイなどを行った結果、ERF9ethylene-responsive element binding factor 9)がその候補として挙げられた。ERF9は、シス配列にDREBドメインが特異的に結合するDRE配列をもち、抑制ドメインであるEAR motifを有する転写抑制因子である。事実、ERF9欠損変異体ではPDF1.2の発現上昇と糸状菌に対する抵抗性が確認できた。
本発表では、ERF9と防御応答との関係を中心に議論していきたい。
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© 2009 日本植物生理学会
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