日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ時計関連遺伝子の解析による概日時計機構モデルに関する考察
伊藤 照悟川村 英彰丹羽 悠介中道 範人*山篠 貴史水野 猛
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p. 0262

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抄録
日周期(昼夜)や光周期(季節)などの環境変化に依存して生育する植物にとって、概日時計は重要な生体機能の一つである。最近になり、シロイヌナズナにおける研究から植物概日時計に関する理解が大きく進展した。その結果、高等植物は動物とは異なる固有の時計機構を進化させてきたことが明らかになった。現在では、シロイヌナズナ概日時計の振動機構に関して数理モデルが提唱され広く引用されている。そのモデルでは、CCA1/LHY-TOC1(core loop)ループに加えて、CCA1/LHY-PRR9/PRR7ループ(morning loop)と、Y-TOC1ループ(evening loop)の3つのフィードバックループが互いに相互作用することで機能していると考えられている。未同定のY遺伝子の候補としてはGIPRR5が挙げられている。このモデルを検証する目的も含めて、我々は以前、morning loopが欠損したprr9 prr7二重変異体やコアループを失ったcca1 lhy toc1三重変異体を解析した。本研究では、evening loopが欠損したと考えられるgi toc1gi prr5二重変異体、及び、morning loopとevening loopの両方の機能を欠損していると考えられるprr9 prr7 toc1三重変異体を解析した。それらの結果に基づいて、現在の時計モデルに関して考察したい。
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© 2009 日本植物生理学会
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