抄録
植物は頂端分裂組織の発生により組織・器官を発達させる。茎頂分裂組織では分泌性シグナル因子CLV3ペプチドがLRR-RLKであるCLV1およびCLV2に認識され、stem cellsの分裂と分化を制御している。本研究では、CLEシグナル伝達経路を明らかにするためにCLV3ペプチド耐性変異体sol2の遺伝解析と生理解析を行った。sol2変異体ではclv変異体に特徴的な心皮数の増加が見られた。また26種類のCLE合成ペプチドをclv1, clv2, sol2変異体に投与して、根の伸長阻害効果を調べたところ、clv2変異体とsol2変異体は多くのCLEペプチドに対して耐性を示した。またclv2変異体とsol2変異体のCLEペプチド耐性の程度が似ていることから、SOL2とCLV2は根端分裂組織で協調的に機能していることが示唆された。sol2のポジショナルクローニングの結果、レセプターキナーゼ(At5g13290)の膜貫通領域にアミノ酸置換を引き起こす変異が見つかった。さらにSOL2のキナーゼドメインを用いてYeast two hybridスクリーニングを行った結果、プロテインキナーゼやホスファターゼ、転写因子と相互作用することが明らかとなった。これらの結果、SOL2は多面的な機能をもち、CLVシグナル伝達経路を介して茎頂分裂組織および根端分裂組織の維持に関与していることが明らかとなった。