日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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フェムト秒誘導発光によるカロテノイドの光学禁制1Bu-(0), 3Ag-(0)振電準位と25Mg-NMRシグナルの線幅を用いたバクテリオクロロフィルの配位状態の決定:LH2への応用
*クリスティアーナ レベッカ青柳 志保柿谷 吉則三木 健嗣小山 泰中井 利仁内海 博明清水 禎
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p. 0402

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抄録
光学活性1Bu+(0)準位とそれと重なる光学禁制1Bu-(2)または3Ag-(1)準位(それぞれスフェロイデンとリコペン)を、約30 fsパルスを用いてコヒーレントに励起すると、1Bu-(0)または3Ag-(0)準位からの誘導発光が観測されることを見出した。この方法で禁制準位1Bu-(0)と3Ag-(0)のエネルギーを決定することができる(三木ら,Chem. Phys. Lett. 457 (2008) 222)。一方我々は、バクテリオクロロフィルの配位状態、即ち「5配位の軸配位子の反対側に、相互作用できる6番目の軸配位子が存在するかどうか」を25Mg-NMRシグナルの線幅を用いて判定できることを見出した(柿谷ら,Biochemistryに受理)。これは、酸素や窒素の6番目の配位/相互作用の検出を可能にする。
Rba. sphaeroides 2.4.1とRsp. molischianumのLH2アンテナ複合体には、スフェロイデンとリコペンがそれぞれ捩れた状態で結合しており、一方バクテリオクロロフィル(BChl)に関しては、2つのB850 BChlと1つのB800 BChlが結合している。我々は、これらのアンテナ複合体に結合したカロテノイドの1Bu-, 3Ag-禁制状態のエネルギーを決定し、三種類のBChl分子の軸配位/相互作用状態を明らかにすることを目指して、実験を行っている。
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© 2009 日本植物生理学会
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