日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

器官形成に関わる新奇遺伝子MACCHI-BOU2の解析
*井藤 純曽野 貴子古谷 将彦田坂 昌生
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0470

詳細
抄録
子葉は胚発生期に形成される器官であり、その形成にはオーキシンが重要な役割を果たす。しかしながら、オーキシンを介した器官形成の分子機構の詳細は未だ不明な部分が多い。私たちは、子葉の形成に関与する因子の単離を目的として、pinoidエンハンサーmacchi-boumab)変異体のスクリーニングを行い、mab2変異体を得た。pid単独変異体はまれに三つ葉の子葉を形成するという表現型を示すが、mab2 pid二重変異体は子葉を完全に欠失する。そして、mab2変異体は単独でも子葉の形態、ポジショニングに異常を示し、胚発生初期の胚で分裂異常が観察された。mab2変異体では、マップベースクローニング法により、メディエーターの制御複合体をコードしている遺伝子に点変異が生じていた。さらに、その遺伝子のT-DNA挿入株もmab2変異体と同じ表現型を示した。また、酵母two hybrid実験から、MAB2は他のメディエーター構成因子と相互作用しうることが示された。これらの事から、MAB2はシロイヌナズナにおけるメディエーターの制御複合体として機能している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2009 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top