日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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VNI2はVND7の転写活性機能を抑制することで道管分化を制御する
*山口 雅利久保 稔光田 展隆高木 優福田 裕穂出村 拓
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p. 0471

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抄録
私たちはこれまでに、NACドメインタンパク質をコードするVND7 (Vascular-related NAC domain protein 7)が、道管分化のマスター制御因子として機能していることを明らかにした。本研究では、VND7と相互作用する因子をtwo-hybrid法により探索し、新規のNACドメインタンパク質をコードするVNI2 (VND-Interacting 2)を同定した。トランジェントアッセイを行ったところ、VNI2はVND7が持つ転写活性を抑制することが明らかとなった。またプロモーター解析により、道管分化過程の初期の細胞ではVNI2VND7がともに発現しているのに対し、分化がより進行した細胞ではVND7のみが発現していることが明らかとなった。そこで分化過程におけるVNI2の発現を延長させる目的で、VNI2遺伝子をVND7プロモーター制御下で発現させた形質転換体を作成したところ、得られた植物体では道管分化が強く抑制された表現型が観察された。これらの解析結果より、VNI2は道管分化の初期過程でVND7と結合し、VND7の機能を阻害しているものと推測された。
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© 2009 日本植物生理学会
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