日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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塩生植物Thellungiella halophila の高温耐性メカニズムの解明および FOX hunting による高温耐性付与遺伝子の探索
*石川 智子築地 由佳坂田 洋一田中 重雄篠崎 一雄太治 輝昭
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p. 0519

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抄録
塩生植物 Thellungiella halophila は、モデル植物である Arabidopsis と核酸レベルにおいて90%の相同性を持つ近縁種で、塩ストレスに対し極めて高い耐性を示すだけでなく、凍結ストレス、酸化ストレスなどにも著しい耐性を示す。さらに我々は、様々な非生物的ストレスに対する Thellungiella の耐性を調べたところ、高温ストレスに対しても顕著な耐性を示すことを明らかにした。
そこで我々は、Thellungiella の高温ストレス耐性に関与する因子を探索するため、Thellungiella 完全長 cDNAクローンを Arabidopsis へ形質転換し、機能獲得型変異株スクリーニングである FOX hunting (Full-length over expressor gene hunting) を行い、高温耐性獲得株の選抜を進めている。
我々は遺伝子の機能ごとにターゲットを絞って行う mini-scale FOX hunting を行っており、高温ストレス耐性への関与が示唆される遺伝子群をターゲットの1つとしている。ターゲット遺伝子には、Heat Shock ProteinやHeat Shock Factorを中心として、酸化ストレス応答や、適合溶質の合成に関わる遺伝子などを抽出した。本大会ではスクリーニングの現状を紹介する。
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© 2009 日本植物生理学会
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