日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアNostoc commune NIES-24のカロテノイド分析
*持丸 真里眞岡 孝至高市 真一
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p. 0563

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抄録

ノストック属のシアノバクテリアは、陸棲で高い乾燥耐性を持ち、窒素固定能を持つことで知られている。我々は、これまでにノストック属やアナベナ属などを中心にカロテノイド組成を解析し、その生合成遺伝子の機能を確認してきた。その結果、カロテノイド組成にも生合成遺伝子の有無にも多様性があることを見いだした。
今回、我々はNostoc commune NIES-24 (= IAM M-13)の色素を抽出後、C18-HPLCの溶出時間・吸収スペクトル、また精製してMS、NMR、CDの解析から同定した:β-カロテン 50%(モル%)、β-クリプトキサンチン 1%、ゼアキサンチン 2%、カロキサンチン 5%、ノストキサンチン 11%、エキネノン 20%、カンタキサンチン 2%、ミクソール・フコシド 4%、2-OH-ミクソール・フコシド 5%。カロテノイドの種類は、これまで調べられたシアノバクテリアの中でも特に多く、多種類の遺伝子が機能していると考えられる。2-OH-ミクソール・フコシドが見られたのは、Thermosynechococcus elongatus BP-1 に次ぎ2番目である。一方、ノストック、アナベナ属によく含まれているケトミクソール配糖体は観察されなかった。ケトミクソールの分布は、16S rDNA による系統解析とは相関が見られない。

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© 2009 日本植物生理学会
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