日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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バクテリオクロロフィル-a型およびb型光合成反応中心を利用したエネルギー移動系
*渡部 和幸溝口 正波多野 吏原田 二朗民秋 均
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p. 0565

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抄録
光合成では、アンテナ複合体(LHs)、反応中心(RC)と呼ばれる二種類の色素蛋白複合体が重要な役割を担っている。LHsは光エネルギーの吸収とそのRCへの伝達を行い、RCは光エネルギーの化学エネルギーへの変換を行っている。紅色光合成細菌の中には、主要色素としてバクテリオクロロフィル(BChl)-a (8-エチル) の代わりに、より長波長側に吸収極大を有するBChl-b (8-エチリデン) も存在している。そのためBChl-b型RC(λ=973 nm)はBChl-a型RC(λ=867 nm)に比べてより長波長側の光を利用することができる。
今回、BChl-aを含むRhodobacter sphaeroides 2.4.1 およびBChl-bを含むBlastochloris viridis DSM133からRCを単離・精製した。既法に従いそれぞれのRCを、色素(Chl-a: λ=661 nm, BChl-a: λ=771 nm)と共にL-α-phosphatidylcholineの二重膜中に挿入し、光化学反応系のモデルを調製した。
このモデル系に電子アクセプターとしてユビキノンを加え、光電流応答を測定することにより、添加色素からBChl-a型RCとBChl-b型RCそれぞれへのエネルギー移動効率を検討した。
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© 2009 日本植物生理学会
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