日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケにおけるANGUSTIFOLIA相同遺伝子の機能解析
*沖田 友美武智 克彰山本 慈恵滝尾 進塚谷 裕一高野 博嘉
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p. 0644

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抄録
シロイヌナズナのANGUSTIFOLIA(AN;636アミノ酸)は、動物の発生に重要な役割を果たすCtBP/BARSの、植物で最初に見つかったホモログであり、CtBPには存在しない約200アミノ酸のC末端配列をもつ。ANはシロイヌナズナにおいて、葉の細胞の横幅方向への極性伸長やトライコームの分枝数を制御することが知られている。AN相同遺伝子のコケ植物における機能を調べるため、ゲノムが決定されたヒメツリガネゴケに存在する4つのAN相同遺伝子(PpAN1-11-22-12-2)を単離し、全ての全長cDNA配列を決定した。PpAN1-1と1-2は予想アミノ酸配列で82.5%の同一性を示し、ANと同様に植物特有のC末端配列をもっていた。PpAN2-1と2-2は78.6%の同一性を示し、このC末端配列が存在していなかった。PpAN1-1、1-2、2-1、2-2とANは44.1%、45.5%、35.3%、35.0%の同一性を示した。ジーンターゲティング法を用い、4つのPpAN遺伝子全てについて、それぞれ薬剤耐性遺伝子を挿入した単一遺伝子破壊ラインを作成し形態学的観察を行ったが、野生型との間に変化は観察されていない。現在、単一または各々のペアでPpAN遺伝子を完全に欠失させた遺伝子破壊ラインを作成中である。
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© 2009 日本植物生理学会
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