日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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タバコ種間雑種(Nicotiana gossei x N. tabacum)の雑種致死をおこす培養細胞に特異的に発現するタンパク質と遺伝子
三井 涼子山本 拓海愛洲 星太郎奥村 華子浅田 由起子佐藤 健司北島 佐紀人田中 良和*三野 真布
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p. 0682

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抄録
雑種致死を起こすタバコ種間雑種(N. gossei x N. tabacum)の培養細胞GTH4は細胞死を抑制する37度から26度への遷移で急速に致死する。他方、致死抑止型変異細胞GTH4Sでは細胞死は起きない。細胞死の進行には37度での遺伝子発現、タンパク質合成が必要であるため、GTH4とGTH4Sの比較から細胞死に関連する遺伝子やタンパク質を解析できる。今回我々は、GTH4に検出できるがGTH4Sには検出できない複数のタンパク質のイオン交換クロマト/SDS-PAGE およびMALDI-TOF MSによる解析から、細胞周期に関連するタンパク質であるAnnexin(AY14973)に着目した。AnnexinはSuppression Subtractive Hybridization法によりGTH4が優先的に発現する遺伝子のcDNAライブラリのスクリーニングでも検出され、GTH4の細胞死との関連性に興味が持たれた。データベース上に公開されたタバコ属植物のAnnexin遺伝子ファミリーの塩基配列情報をもとに複数の遺伝子についてRT-PCRにより両細胞での発現を調べた。AY14973はGTH4で発現していたが、GTH4Sでは全く発現せず、タンパク質の解析データと一致した。他方、生物/非生物的ストレスに応答するAY965682とAY965683はGTH4がGTH4Sよりも強く発現していた。
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© 2009 日本植物生理学会
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