日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トマトの果実形成に関与するチトクロームP450の機能解析
*松尾 哲菊地 郁福田 真知子本多 一郎
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p. 0681

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抄録
トマトの栽培においては、様々な栽培環境不良によって結果不良になるという問題を生じる。そこで、結果安定のためには、果実形成や結果性機構の解明及び優れた形質を持つ単為結果性トマトの育成が求められている。本研究では、果実形成や結果に関与すると考えられるチトクロームP450(CYP78Aサブファミリー)の機能解析を行い、トマト果実形成に関与する重要因子の解明及び同遺伝子を制御した単為結果性トマトの作出を試みる。
これまでに、我々はトマトから4種類のCYP78 AサブファミリーのcDNA (LeCYP78A1-4)を単離し、LeCYP78A2の子房での発現が受粉や合成オーキシン処理により100倍以上に誘導されることを確認していた。今回、我々はこの遺伝子の機能を解析するため、トマトに過剰発現させたところ、果実の大きさや種子形成に変化が見られることを確認した。また、この遺伝子をRNAiで発現抑制した形質転換トマトは短節間、花器官の異常、葉の小型化などの形態変化を示した。以上のことから、LeCYP78A2はトマトの果実形成や形態形成に重要な遺伝子であることが示唆された。
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© 2009 日本植物生理学会
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