抄録
アブシジン酸(ABA)情報伝達経路に関わる因子の同定を目的として、我々はABA類縁体を用いたABA感受性変異体の探索を行ってきた。
ABA類縁体である#18はABA様の発芽阻害作用を示す。ABA誘導性遺伝子発現解析等により、#18はABAと同様の様式で働いていると考えられた。しかし、#18に対しての感受性は生態型間で異なっており、ColとLerではColの方が高感受性を示したのに対し、ABAにおいてはColよりもLerの方が高感受性を示した。このことから、#18とABAの構造の違いによって感受性に影響を及ぼす因子の存在が示唆された。現在マッピングによってこの原因遺伝子の同定を試みている。
また、ABA類縁体PBI-51を用いた探索によってABA高感受性変異体が単離された。我々はこれらの変異体の内、ahg1、ahg3変異体の原因遺伝子は共にPP2Cをコードしている事を明らかにしている。これらの遺伝子は種種子で強く発現しており、ahg1ahg3二重変異体では発芽時において非常に強いABA高感受性を示す。このahg1ahg3二重変異体と野生型においてリン酸化タンパク質を比較解析する事により、PP2Cのターゲットとなる分子を探索しようと試みている。