日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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bHLH型転写因子をコードするイネのブラシノステロイド誘導性遺伝子の機能解析
*田中 惇訓大武 美樹中川 仁Dubouzet Joseph G.浅見 忠男鎌倉 高志森 昌樹
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p. 0709

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抄録
我々はイネのブラシノステロイド(BR)シグナル関連因子の解明を目的とし、BR生合成酵素をコードするOsBR6oxOsDWARF)の機能欠損変異体brd1にブラシノライドを添加し、発現が変化する遺伝子を網羅的に探索してきた。今回はその中で、bHLH型転写因子をコードすると推測されるOsBU3,17についての解析結果を報告する。
OsBU3の過剰発現体(OsBU3:OX)では、イネ特異的なBRの作用であるラミナジョイントが激しく屈曲した表現型を示した。逆に発現を抑制したイネでは、葉身が立った表現型を示した。また、OsBU3:OXはBR生合成阻害剤ブラシナゾールに対して抵抗性を示したこと等から、OsBU3がBRの生合成の促進ではなくシグナル伝達の促進因子であることが示唆された。さらにpromoter-GUS植物の解析から、OsBU3はラミナジョイントで特異的に発現していることが示された。また、OsBU3:OXの種子では大粒化及び稔性の減少が認められた。
OsBU17:OXは、OsBU3:OXとは逆に葉身が立つBR欠損変異体様の表現型を示した。しかし、BR欠損に特徴的な矮化が認められなかったため、ラミナジョイントの屈曲にのみ関連する因子であると考えられた。
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© 2009 日本植物生理学会
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