日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるデアミナーゼ遺伝子ファミリーの研究
*鈴木 利之和泉 光人山本 将之山田 恭司若杉 達也
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p. 0778

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抄録
RNAエディティングは、遺伝情報をRNAレベルで変化させる現象であり、様々な生物で観察される。植物では、葉緑体mRNAとミトコンドリアmRNAの特定の部位で、CからUへのエディティングが観察される。また、核や葉緑体にコードされるtRNAでは、アンチコドンのゆらぎの部位でAからIへのエディティングを受けるものが存在する。これらのRNAエディティングは、いずれも脱アミノ化反応であり、哺乳動物や酵母などでは、すでに反応を触媒するデアミナーゼが同定されている。しかし、植物の塩基置換型のRNAエディティングの分子機構に関しては不明な点が多く、触媒活性を担う酵素もまだ明らかにされていない。本研究では、植物においてデアミナーゼがRNAエディティングに関与するかどうかを検討するため、シロイヌナズナにおけるデアミナーゼ遺伝子ファミリーの特徴付けを行った。
データベース検索の結果、シロイヌナズナのゲノムにおいてデアミナーゼドメインをコードする遺伝子は17種類見出された。これら遺伝子のうち、tRNAのエディティングに働くアデノシンデアミナーゼのグループに属するものが6種類あったが、動物においてmRNAのエディティングに働くデアミナーゼのグループに属するものは見出されなかった。本研究では、17種全てのデアミナーゼ遺伝子の構造や発現パターン、細胞内局在についても合わせて報告する。
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© 2009 日本植物生理学会
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