日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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マタタビ属果実システインプロテアーゼの解析
藤原 真也大場 由記子邵 政達鈴木 淳巨上辻 久敏坂井 至通山根 隆*杉山 康雄
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p. 0792

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抄録
活性部位にチオール基をもつシステインプロテアーゼ類は、種子の発芽、形態形成、プログラム細胞死など様々な生理学的過程に関与する。近年、このプロテアーゼ類は生物的、及び、無生物的ストレスの受容、シグナル伝達と応答などにも関与することが明らかになってきた。キウイフルーツ果実に含まれるアクチニジンはパパインファミリーに属し結晶構造も知られているが、等電点の異なる多種類のアイソザイムから成るとの報告もある。その生物学的役割として、貯蔵や防御が推定されている。我々は、新規な森林資源を開発するため、マタタビ果実に含まれるプロテアーゼの酵素化学的性質とそれらをコードする遺伝子を解析した。
1.サルナシ果実のジュースを硫安沈殿し、陰イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーによって比活性の異なる3種類のシステインプロテアーゼを分離した(ピーク1, 2, 3)。そして、人工ペプチド基質を用いて酵素化学的諸性質を調べた。また、ピーク1と2の結晶構造を明らかにした。
2.サルナシ果実からDNAとRNAを抽出した。アクチニジン遺伝子の配列情報を基に合成したプライマーを使ってPCRで遺伝子増幅した。genomic PCR産物の塩基配列からエキソン部分を連結して得た配列をもつクローンをRT-PCRで増幅できた。
3.今後、様々なPCRプライマーを設計して多くの遺伝子を増幅する予定である。
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© 2009 日本植物生理学会
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