日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ストレス応答性カルシウム結合タンパク質 RD20 遺伝子の機能解析
*藤田 美紀藤田 泰成篠崎 和子篠崎 一雄
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p. 0903

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抄録
シロイヌナズナにおける乾燥応答性遺伝子として単離されたRD20は、乾燥、高塩濃度、ABA処理、さらに病原体感染などにより非常に強い発現応答性を示し、RD26 (NAC)やAREB1 (bZIP) など多くのストレス応答性転写因子の標的遺伝子としても同定されている。RD20タンパク質は種子の脂質貯蔵体として知られるオイルボディを構成するカレオシンファミリーに属するが、他のカレオシン遺伝子と異なり、種子ではなくストレスに応答して植物体全体で高発現することから、ストレス応答に重要な役割を担うと考えられる。RD20抗体を用いた細胞分画解析の結果、RD20はミクロソーム画分から検出された。シロイヌナズナプロトプラストにおけるRD20の局在観察の結果、RD20は小胞体に局在することが示唆された。
本研究では、RD20の詳細な機能解析を目的として、RD20欠失変異体および過剰発現体の解析を行った。いずれの変異体においても、通常条件での生育に変化は見られなかったが、RD20過剰発現体においてはH2O2の蓄積が観察された。各植物のストレス応答性および酵母two-hybrid解析から得られたRD20相互作用候補因子を報告すると共に、ストレスに応答における RD20 の機能について議論する。
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© 2009 日本植物生理学会
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