日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ストレス応答性NAC転写因子RD26の翻訳後調節
*西山 りゑ藤田 美紀篠崎 和子篠崎 一雄
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p. 0904

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抄録
シロイヌナズナではRD26を含めた6個のNAC転写因子が植物ホルモン(ABA,JA)と環境ストレス(乾燥、高塩濃度、傷害等)により誘導される。これらのNAC転写因子はABAとJAを介したストレス応答機構で機能していると考えられる。RD26の機能を解明するためRD26過剰発現体を作成したところ、RD26転写産物は大量に蓄積したがRD26タンパク質は検出できなかった。プロトプラストをもちいた一過的発現系で、プロテアソーム阻害剤MG132処理によりRD26タンパク質の蓄積が確認できたことから、過剰なRD26タンパク質はユビキチン-プロテアソーム系で分解されていると考えられた。さらにC末端を欠損したRD26タンパク質はMG132処理なしで蓄積することから、RD26のC末端領域が分解に関係していることが分かった。RD26の分解経路を明らかにするため、酵母two hybridスクリーニングで5個のRD26結合性ユビキチン化酵素の候補遺伝子を単離した。RD26を含めたストレス誘導性NAC転写因子とRD26結合性ユビキチン化酵素の結合はBiFC解析で確認した。RD26結合性ユビキチン化酵素の一つ、RHG1a(RING型ユビキチン化酵素)の過剰発現体ではRD26の下流遺伝子の転写量が減少していた。これらの結果から、RD26は転写レベル以外にタンパク質レベルでの制御系も存在する可能性が考えられた。
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© 2009 日本植物生理学会
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