日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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苔類ゼニゴケにおける分子遺伝学の基盤整備IV <GatewayバイナリーベクターとT-DNAタグライン>
*石崎 公庸湯川 嘉康増田 晃秀大和 勝幸河内 孝之
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p. 1029

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抄録
苔類は、現世陸上植物の中で最も古く分岐したグループであり、植物における形態形成制御の基本メカニズムとその進化を考える上で重要である。胞子発芽後7日目の幼葉状体をアグロバクテリウムと1から2日間共培養することで、1胞子嚢あたり数百の形質転換体が得られる。得られる形質転換体には1から5コピーのT-DNAがランダムに挿入される。またゼニゴケは半数体であり、1細胞由来の無性芽を植え継ぐことにより、短期間で純系の形質転換体が確立できる。GUSレポーター遺伝子を用いてプロモーター活性を検討し、ゼニゴケ細胞における恒常的な転写活性をもつ内在性Elongation Factor 1α遺伝子プロモーター、pMpEFを単離した。pMpEFおよびゼニゴケにおいて安定した働きが観察されている蛍光タンパク質Citrineを組み込んだGateway方式のバイナリーベクターを開発し、種々の解析に用いている。また約1万のT-DNAタグラインを作製し、形態異常変異株を19ライン単離した。現在これらの形質転換体の原因遺伝子の単離および解析を行っている。
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© 2009 日本植物生理学会
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