日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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NBRPトマト:Micro-Tom変異誘発系統を中心とした個体レベルのリソースの開発と利用
*浅水 恵理香斉藤 岳士溝口 剛福田 直也松倉 千昭青木 考江面 浩
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p. 1031

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抄録
トマトはナス科のモデル植物であり、ゲノム解読が進行中である。果実を形成する点がシロイヌナズナやイネなど他のモデル植物にはみられない特徴であり、果実形成機構や果実に蓄積する機能性成分の研究対象として、広く利用されている。トマトは平成19~23年度のナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP) に採択され、中核機関:筑波大学、サブ機関:かずさDNA研究所の体制でリソースの整備を行っている。NBRPトマトでは、矮性系統Micro-Tomをトマトの機能ゲノミクス研究のモデルと位置づけ、合わせて10,000のEMSおよびガンマ線照射による変異誘発系統を開発した。果実に着目して形質のスクリーニングを行った結果、果実形態形成過程の異常が示唆される変異系統を単離した。更に、花弁や果実の色、植物体サイズに異常がみられる変異系統など、これまでに合わせて500以上を単離した。現在 2009年度中の公開を目指して、データベースの整備を進めている。リソースの有効活用のため、高効率形質転換技術の開発と普及 (松井ら、本大会で発表)、TILLING基盤開発、マッピング集団の開発、T-DNAタグラインを使った簡易マッピング技術の開発(溝口ら、本大会で発表)に取り組んでいる。NBRPトマトHP (http://tomato.nbrp.jp/) で情報発信をしているので、是非ご覧いただきたい。
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© 2009 日本植物生理学会
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