日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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トウモロコシ幼葉鞘先端部におけるIAA生合成と下方への偏差的輸送による重力屈曲
西村 岳志*小柴 共一
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p. S0016

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抄録
トウモロコシ幼葉鞘は古くからIAA の生合成や極性輸送、屈曲反応の研究に用いられてきており、特に幼葉鞘の先端でIAA は合成され、下方に極性輸送されることが数多く報告されている。しかし、幼葉鞘におけるIAA の生合成と輸送の詳細な機構は明らかにされていない。また屈曲反応におけるIAAの偏差分布形成の詳細と屈曲へのIAAの直接的な関与を明確に示した報告はほとんどない。演者らは、トウモロコシ幼葉鞘先端で合成されたIAA がすみやかに基部方向へ極性輸送されること、その輸送にZmPIN1 が働いていること、さらに先端から移動するIAAが下方に向けて偏差的に分布することが重力屈曲に必須であることを明らかにしてきている。ここでは、1~2時間という比較的短時間内に、IAAの生合成、そこからの輸送とIAA偏差分布の形成、実際の屈曲という生理的現象をつなげる実験系を紹介するとともに、IAA生合成とIAAの動的な分布形成の分子機構の解明に向けた取り組みについて以下の点を中心に報告する。
(1) 先端部におけるIAA生合成と輸送、および重力刺激によるIAA偏差分布形成と屈曲
(2) NPAの先端局所的処理による IAA偏差分布と重力屈曲に及ぼす影響
(3) ケミカルゲノミクスによるIAA生合成と屈曲に影響を与える新奇物質の探索
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© 2009 日本植物生理学会
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