日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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26Sプロテアソームサブユニットを介した遺伝子発現制御機構の解析
*眞木 祐子佐古 香織綿引 雅昭Goto Derek山口 淳二
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p. 0055

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抄録
26Sプロテアソームはユビキチン化されたタンパク質を能動的に分解する巨大タンパク質複合体であり,特定のタンパク質を特定の時期に分解することで様々な生命現象を制御している.特に植物では多くの生命現象がユビキチン・プロテアソームシステムにより制御されており,環境適応能力獲得のための中心的働きを担っていると考えられる.我々はこれまでにシロイヌナズナの26SプロテアソームサブユニットAtRPT2aが細胞分裂を伴わないDNA複製であるエンドリデュプリケーション(ERD)による細胞サイズの制御に関与していることを明らかにした.rpt2a変異体において,過剰なにERDより器官サイズの増大が観察される.(Plant J. 60: 68, 2009 )
さらに,このrpt2a変異体において外性遺伝子の過剰なサイレンシングが生じていることが示唆された.後天的な遺伝子発現制御機構として,DNAメチル化,ヒストン修飾などが知られている.今回,植物において顕著にみられるDNAメチル化に着目し解析を行った.その結果, rpt2a変異体における遺伝子サイレンシングはDNAメチル化阻害剤,DNAメチル化関連遺伝子の変異により解除されることが分かった.26Sプロテアソームと遺伝子発現制御機構との関係性について議論したい.
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© 2010 日本植物生理学会
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