日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ジベレリン(GA)に依存しない受容体GID1とDELLAタンパク質(DELLA)との相互作用
*平井 貴章山本 優子佐藤 友美北野 英己上口(田中) 美弥子松岡 信
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p. 0097

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抄録
GAの受容は、受容体GID1がGAと結合することで、シグナル抑制因子であるDELLAと相互作用し、DELLAの分解が起こり、抑制状態が脱抑制されることにより引き起こされると考えられている。今回我々はこの機構の詳細を検討するために、gid1のweak alleleの矮性形質が復帰した変異体Sgd-1を選抜しその機能解析を行った。その結果、SGD-1はGID1座上の復帰突然変異であり、1アミノ酸置換(P99S)によりGA非存在下でDELLAと相互作用し背丈が回復したことが分かった。Y2Hアッセイ、また表面プラズモン共鳴利用による相互作用の分析の結果、変異型GID1タンパク質はそのリッド部分がGA非存在下でも閉じた状態となり、そこにDELLAが結合することによると推察された。
Arabidopsis GID1b (AtGID1b)も、DELLAとのGA非依存的な相互作用が報告されている。解析の結果、この原因もSGD-1変異と類似な機構に因ることが示され、双子葉植物においてはこのような変異を持ったGID1を積極的に固定することにより、GA非依存的なDELLA結合活性を有するGID1出現させたと考えられた。
本研究の一部は新農業プロジェクト(IPG0003)、基盤研究(S)、ターゲットタンパク、により支援を受けた。
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© 2010 日本植物生理学会
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