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SNAREは小胞輸送において膜融合を実行する因子であり,SNAREモチーフと呼ばれるcoiled-coil構造を形成するアミノ酸配列の特徴から,Qa,Qb,QcとRの4種に分類される.陸上植物種に保存された主要なR-SNAREであるVAMP7ファミリーは,VAMP71とVAMP72という二つのサブグループで構成されている.さらに,種子植物のVAMP72グループには,longin domainに約20アミノ酸からなる酸性配列が挿入された特異な分子種が存在する.当研究室ではこれまでに,この酸性配列を有するシロイヌナズナVAMP72分子,VAMP727がエンドソームを中心としたポストゴルジ輸送ネットワークで機能することを明らかにしてきた.現在はさらに,この種子植物特異的なR-SNAREの進化において挿入配列が果たした役割を解明すべく研究を進めている.本講演では,VAMP727からの酸性配列の欠失や,祖先型VAMP72分子への酸性配列の人為的挿入が,それぞれの分子機能に及ぼす影響について報告するとともに,種子植物の様々な系統から単離したVAMP72の機能解析の結果を報告する.