日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
会議情報

ARA6とVAMP727が制御するポストゴルジ輸送経路の解析
*海老根 一生藤本 優台信 友子植村 知博堤 伸浩中野 明彦上田 貴志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0125

詳細
抄録

細胞内では小胞を介して様々な物質の輸送が行われており,RABとSNAREはこの小胞の融合を制御している鍵因子である.我々は小胞輸送が植物の高次現象において果たす役割を明らかにすることを目的とし,特に陸上植物固有のRABとSNAREであるARA6とVAMP727に注目し研究を行っている.ARA6は特徴的な一次構造を持つ植物固有のRAB5であり,保存型のRAB5とは一部重なりながらも異なるエンドソームに局在している.我々はこれまで液胞膜に局在するQ-SNAREであるVAM3との遺伝学的解析から,ARA6と保存型RAB5が拮抗した機能を持つことを明らかにしているが,その詳細なメカニズムは不明であった.一方で,VAMP727はlongin domainに約20アミノ酸からなる挿入を持つR-SNAREであり,シロイヌナズナでは液胞膜とエンドソームの接する部分でVAM3と複合体を形成し,エンドソーム/液胞輸送において機能することを明らかにしている(Ebine et al., 2008).
これら植物固有の小胞輸送制御因子について複合的な解析を行った結果,ARA6がVAMP727を介してエンドソームから細胞膜への輸送を制御していることが明らかになった.今大会ではこの解析結果について報告する.

著者関連情報
© 2010 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top