日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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カンプトテシン生合成における遺伝子抑制とメタボローム変動解析
*山崎 真巳浅野 孝柏原 恵美小林 可菜英佐々木 亮介飯島 陽子青木 考柴田 大輔斉藤 和季
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p. 0227

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抄録
カンプトテシンは、数種の植物が生産するテルペノイドインドールアルカロイドであり、トポイソメラーゼIを阻害剤して細胞毒性を有することから抗がん剤原料として利用されている。その生合成の初期段階は、他のテルペノイドインドールアルカロイドと同様にトリプタミンとセコロガニンの縮合により生ずるストリクトシジンを中間体として生合成されるが以降の生合成経路は不明である。演者らは、アカネ科チャボイナモリ(Ophiorrhiza pumila)においてカンプトテシン高生産毛状根培養系(HR)を確立した。この毛状根から誘導した懸濁培養細胞(CSC)ではアルカロイド生産が消失した。そこでHRとCSC についてInfusion FT-ICR-MSによるノンターゲット分析を行いHR特異的質量イオンピークをプロファイリングした。さらにこれらの質量イオンピークについてトリプトファン脱炭酸酵素(TDC)ならびにセコロガニン合成酵素(SLS) の遺伝子発現をRNAi法により抑制した毛状根での変動をLC-FT-ICR-MSを用いて分析し、抑制遺伝子の発現量と相関を示すイオンピークの精密質量から生合成に関連する候補化合物を推定した。
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© 2010 日本植物生理学会
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