日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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乾燥ストレス条件下で発現が抑制されるイネのOsPIF1遺伝子の機能解析
*戸高 大輔中島 一雄松倉 智子伊藤 裕介圓山 恭之進高木 優篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0344

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抄録
イネの環境ストレス応答機構は、未解明の部分が多く残されている。我々は、マイクロアレイ解析によりイネの環境ストレス応答性遺伝子を数多く見出した。本研究ではそれらの内、乾燥ストレスによって発現量が著しく減少し、シロイヌナズナのPhytochrome Interacting Factor (PIF)と高い相同性を示すOsPIF1遺伝子に関して解析を行っている。これまでに、OsPIF1遺伝子の非ストレス条件下での明期における発現上昇が乾燥ストレス処理によって消失すること、OsPIF1過剰発現イネでは節間伸長が促進されること、逆にリプレッションドメインを利用したOsPIF1機能欠損イネでは節間伸長が抑制されること等を示してきた。これらの結果は、OsPIF1が乾燥ストレス応答機構においてイネの節間伸長を制御している重要な因子である可能性を示唆している。最近、形質転換イネの局所的な部位を用いたオリゴマイクロアレイ解析により、OsPIF1の下流遺伝子の探索をおこなった。見出された下流候補遺伝子の多くは乾燥ストレスによって発現が減少し、それらのプロモーター上にはE-boxシスエレメントが存在した。E-boxシスエレメントを含むプロモーターをGUS遺伝子に繋いだレポーターとOsPIF1遺伝子をイネ葉肉細胞中で一過的に発現させて解析を行った結果、レポーター遺伝子の発現上昇が認められた。
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© 2010 日本植物生理学会
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