日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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CRES-T法により花器官が改変された形質転換シクラメン
*寺川 輝彦山村 智通田中 悠里杉山 正夫光田 展隆高木 優
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p. 0384

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抄録
シクラメン(Cyclamen persicum Mill.)はサクラソウ科に属する花き園芸植物で、冬を代表する鉢花である。なかでも花色や花型は重要な形質であり、古くから交配や突然変異育種により品種改良が行われてきたが、シクラメンは他殖性が強いため新しい形質の付与や安定化が難しく、また多大な時間と労力が必要であった。一方、CRES-T法(Chimeric REpressor gene-Silencing Technology)は任意の転写因子に転写抑制ドメインを融合させたキメラリプレッサーを発現させる方法で、標的遺伝子の発現を抑制し機能欠損の表現型を引き起こすことができる。我々は花器官形成のABCモデルにおけるクラスC遺伝子のAGAMOUS転写因子をシクラメンから新たに単離し、その機能解析を行っている。そこで本研究では、CRES-T法を利用してシクラメンのAGAMOUSの機能抑制による花器官の改変を行うために形質転換シクラメンの作出を試みた。各キメラリプレッサーはCaMV35Sプロモーターと連結させ、選抜マーカーとしてハイグロマイシン耐性遺伝子を持つ発現コンストラクトを作製し、アグロバクテリウム法によりシクラメンに導入を行い、形質転換植物を得た。その後、これら植物体の栽培形質評価と各種解析を行った。なお、本研究は「生研センターイノベーション創出基礎的研究推進事業」によるものである。
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© 2010 日本植物生理学会
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